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2011年12月06日

『東京特許許可局』は本当にあるのですか?

『東京特許許可局』は存在したことはない。早口言葉のためにつくられた幻の官庁である。産業財産権を取得するためには、東京の霞ヶ関にある『特許庁』に出願書類を提出しなくてはならない。

商品に表示されているPAT.PやRはどのような意味があるのですか?

PAT.Pは特許出願中を意味する。またPATとあったら、特許権が既に発生しているという意味である。Rは登録商標を意味し、商品だけでなく、テレビコマーシャルでも商標と一緒にRが記載されているので注意してみるとよいだろう。特許権や商標権等がないにもかかわらず、特許等があるような表示をすると、懲役や罰金の対象になることもあるので注意が必要だ。

当社の特許権を侵害していると思われるライバルメーカーの印刷装置がありますが、どのようにしたらよいでしょうか?

ライバルメーカーに対し警告書を出すのが一般的だが、その前に確認、準備しておくべきことがある。
(1)当社の特許権は存在しているか。当社の特許権が年金不納等によって消滅していないかを確認することが必要である。この確認は特許庁から特許原簿を取り寄せて行う。

(2)特許発明の内容を確認する。特許発明とは特許請求の範囲に記載された発明のことで、特許庁の審査の過程で補正されたり、特許後に おいても訂正されたりして、特許出願時の内容がそのまま特許されるとは限らない。従って、現在の特許発明の内容、即ち現在の特許権の範囲を確認する。

(3)ライバルメーカーの印刷装置が特許権を侵害するものであるかを検証する。実物をしっかり確認して特許権を侵害するものであるかを 調べると共に写真、ビデオ、カタログ等、可能な限りの資料を収集しておくことが重要だ。相手から侵害ではない旨の反論をされた場合に印刷装置を再確認でき るようにしておくためである。
特許権侵害であるか否かの判断は容易ではないことが少なくないので、専門家に鑑定を求めることが望ましい。
十分な検証を行った上でライバルメーカーの印刷装置が特許権侵害であると判断された場合には警告書を出す。警告書は配達日や内容を証明できる内容証明郵便 にするのが賢明である。警告書には、特許番号、侵害であると判断される印刷装置を特定するための製品名や品番、特許権侵害であるとする主張、実施権許諾の 準備の有無等の必要事項を記載する。

特許無効審判とはどのような手続なのでしょうか?

(1)特許無効審判とは、特許に関して無効理由があることを示す証拠を特許庁に提出して、その特許を無効にすることを求める手続である。特許権侵害であるとし て警告を受けたり、侵害訴訟を起こされたりした場合の対抗策として特許無効審判を請求することが多い。 特許庁の審査にパスした権利を無効にするためには、相当な資料を収集する必要があり、国内外を問わず膨大な調査が必要となる。特許出願より前にその資料が 存在していたことを証明しなくてはならないので、第一に公開された日が明らかな特許庁発行の公報を対象に調査するが、それ以外の資料、例えば技術論文、書 籍、カタログ、業界紙等に調査範囲を広げることも少なくない。このように広く無効資料の調査を行っても、有効な資料を発見できないこともある。

(2) 特許を無効にすることができそうな資料を入手できたら、特許無効審判を特許庁に請求する。特許無効審判は請求人(特許無効審判 を請求した者)と被請求人(特許権者)とが対立する、当事者対立構造をとり3人または5人の審判官が合議体で判断する。審判の下級審である審査では審査官 が一人で審査するのに対し、一旦登録された特許を無効にする判断を行うため、合議体によってより慎重且つ厳正に審理が行われる。

(3) 特許無効審判は請求人が提出する審判請求書、被請求人が提出する答弁書等の書面によってやり取りを行う書面審理が採用されるこ ともあるが、審判の請求人、被請求人及び審判官が一同に会して話し合いをする口頭審理が開かれる場合もある。実際の口頭審理は審判の請求人、請求人の代理 人弁理士、被請求人、被請求人の代理人弁理士、審判官及び特許庁の書記官が出席して行われる。口頭審理は書面審理に比べて論点を迅速に整理できる等の利点 があるが、関係者が同時に特許庁へ集まらなくてはならない大変さもある。そこで、最近では審判官、書記官が地方都市に出張して口頭審理を行う巡回審判が行 われている。

(4) 特許無効審判において審理が尽くされると審決が出される。審決には特許を無効にする審決(認容審決)と特許を維持する審決(棄却審決)とがある。なお、請求項が複数(例えば合計3項)ある場合は、そのうちの一部(例えば請求項3)のみが無効になることもある。
審決に不服がある場合は、知的財産高等裁判所に訴えを起こして争うことができる。

その他の改正法の内容はどのようなものなのでしょうか?

(1)通常実施権、仮通常実施権に係る登録事項の開示が制限される。 通常実施権を特許庁に登録する場合、実施許諾をする者の氏名、実施許諾を受ける者の氏名、通常実施権の範囲、対価の額等を登録し、この登録内容は対外的に 開示され、第三者が閲覧することが可能な状態となる。このため登録内容からライバル企業にビジネスの動向を察知されるなど、通常実施権者等の利害を害する おそれもあった。そこで、利害関係人にのみ開示する制度を導入した。 なお、専用実施権は、特許権と同様に他人に対して損害賠償等を請求し得る独占排他性を有する権利であり、第三者に与える影響が大きいことから、現行通り登 録内容をすべて開示することとした。
(2)特許の拒絶査定不服審判請求期間が長くなった。 審査において拒絶され、それに不服である場合には拒絶査定不服審判を請求することができる。この審判は審査の上級審に当たるものである。 現行では審判請求できる期間は拒絶査定の謄本の送達の日から30日以内であり、審判を請求する者にとって短く、審判請求をするか否かの判断期間としては不 十分であるという意見があった。そこで、拒絶査定不服審判を請求することができる期間を、拒絶査定の謄本の送達の日から3ヶ月以内とした。
なお、改正法の施行日は決定事項ではないが平成21年4月頃になると思われる。

特許権者が第三者に特許発明の実施を許諾する実施権についての特許法等の改正がされると聞きましたが、どのような内容なのでしょうか?

(1) まず、実施権について説明する。実施権には専用実施権と通常実施権があり、法人、個人のいずれもが専用実施権者や通常実施権者になることができる。 専用実施権は、特許権者が第三者に特許発明の実施を許諾することによって生じる独占排他的実施権である。 通常実施権は専用実施権のような独占排他性はなく、特許法等の規定に定められた条件を満たすことによって生じる「法定実施権」、特許庁長官等の裁定によっ て生じる「裁定実施権」、および特許権者等が第三者に特許発明の実施を許諾することによって生じる「許諾実施権」がある。これらの通常実施権のうち「許諾 実施権」が最も多いので、本稿では通常実施権については「許諾実施権」に絞って説明する。 専用実施権と通常実施権は、地域(例えば静岡県内)、期間(例えば2008年9月から2011年8月までの間)、技術分野(例えば特許発明の装置を半導体 製造にのみ用いる)、実施料(例えば売上の3パーセント)等、許諾する範囲(条件)を決めることができる点において共通するが、次の表に示すように種々の 相違点を有する。


(2)現行法の下においては、特許権を対象とした専用実施権、通常実施権のみ特許庁に登録することが可能である。すなわち、特許出願を行い、審査にパス し、特許料を納付して特許権が付与された後でなければ、実施権を特許庁に登録できない。従って、特許が付与される前の特許出願段階では実施権を登録するこ とができない。上記表に示したように、専用実施権は特許庁への登録が効力発生要件であり、通常実施権は特許庁への登録は第三者対抗要件である。 近年では知的財産を売買するビジネスが多く行われるようになってきており、また企業の買収・合併(M&A)も盛んになっている。これに伴って、特許権等の 産業財産権の移転が増加している。このような状況では、専用実施権と通常実施権を特許庁に登録しておかないと、実施許諾のライセンス契約をした特許権者で ある企業(ライセンサー)が特許権を他社へ譲渡したり、他の企業に買収された場合には、実施権者(ライセンシー)が従前のライセンス契約に基づいた事業継 続ができなくなってしまう問題がある。 ところが現行法では上述のように特許権が付与された後にしか実施権の登録を認めておらず、特許出願段階(特許成立前)においては実施権の登録制度がなく、 ライセンシーの保護が不十分である。 そこで、特許出願段階であっても実施権について特許庁への登録を認める「仮専用実施権」及び「仮通常実施権」の登録制度を創設する法改正を行った。 登録の効果として、「仮専用実施権」又は「仮通常実施権」の登録を行った実施権者は、登録した内容で第三者に対抗することができる。従って、特許出願人で ある企業が特許出願を第三者に譲渡したり、M&Aの対象になったりした場合でも、仮専用実施権者や仮通常実施権者(ライセンシー)は、新しく特許権者に なった企業に対しても実施権を主張でき、事業継続が不可能になるのを防止することができる。 また、「仮専用実施権」又は「仮通常実施権」を許諾した特許出願人である企業が破産した場合においても、破産法56条の適用により、破産管財人はライセン ス契約を解除することができない。

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