産業財産権Q&A

Q52

自社の洋菓子に加えて、おしゃれなコーヒーカップ等の食器類を他社から仕入れてインターネットを介して販売しようと考えていますが、上記の「菓子」、「飲食物の提供」について商標権を取得すれば足りるのでしょうか。

A

 他社から商品を仕入れて販売する場合に使用する商標については小売等役務を指定して商標権を取得する必要がある。この小売等役務とは、小売業や卸売業を行う者が商標登録出願において指定する役務のことで、コーヒーカップ等の食器類をインターネットを介して販売する場合には「ガラス製又は陶磁製の食器類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(第35類)を指定することになると判断される。
 小売等役務については解り難いところもあるので、具体例を挙げて説明すると、スーパーマーケットに買い物に行ったときに、店内で使用する買い物かごを貸してくれるが、この買い物かごを貸してくれる行為が「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」ということになる。店内で使用する買い物かごは販売されているわけではないので商品ではなく、顧客が便利なように買い物かごを貸してくれているのである。すなわち、「顧客に対する便益の提供」なのだ。そして、この買い物かごに「イトーヨーカドー」と表示されていれば、「イトーヨーカドー」が小売等役務の商標ということになる。

コーヒー