産業財産権Q&A

Q20

当社の特許権を侵害していると思われるライバルメーカーの印刷装置がありますが、どのようにしたらよいでしょうか?

A

ライバルメーカーに対し警告書を出すのが一般的だが、その前に確認、準備しておくべきことがある。

(1)当社の特許権は存在しているか。当社の特許権が年金不納等によって消滅していないかを確認することが必要である。この確認は特許庁から特許原簿を取り寄せて行う。

(2)特許発明の内容を確認する。特許発明とは特許請求の範囲に記載された発明のことで、特許庁の審査の過程で補正されたり、特許後に おいても訂正されたりして、特許出願時の内容がそのまま特許されるとは限らない。従って、現在の特許発明の内容、即ち現在の特許権の範囲を確認する。

(3)ライバルメーカーの印刷装置が特許権を侵害するものであるかを検証する。実物をしっかり確認して特許権を侵害するものであるかを 調べると共に写真、ビデオ、カタログ等、可能な限りの資料を収集しておくことが重要だ。相手から侵害ではない旨の反論をされた場合に印刷装置を再確認でき るようにしておくためである。
 特許権侵害であるか否かの判断は容易ではないことが少なくないので、専門家に鑑定を求めることが望ましい。
 十分な検証を行った上でライバルメーカーの印刷装置が特許権侵害であると判断された場合には警告書を出す。警告書は配達日や内容を証明できる内容証明郵便 にするのが賢明である。警告書には、特許番号、侵害であると判断される印刷装置を特定するための製品名や品番、特許権侵害であるとする主張、実施権許諾の 準備の有無等の必要事項を記載する。