産業財産権Q&A

Q21

当社で新製品の開発を計画し、同業他社の同種の製品を調べたところ、他社製品に「特許876○○○○」という記載はあります。どうしたらよいでしょうか?

A

(1)製品に記載された番号から特許が本当に存在しているかを調べ、特許が存在している場合には、その特許の内容を調査する。 まずは特許庁のホームページから特許電子図書館にアクセスして、特許番号から年金(権利を維持するための特許印紙)の納付状況等をチェックして、その番号 の特許権が存続しているかどうかを調べる。特許権が存続していることを確認できたら、特許権者はだれか、存続期間は後何年残っているか等を調べる。 特許権が存在しているか否か、権利者がだれか等を確実に調査するためには、特許庁から特許原簿を取り寄せる必要がある。

(2) 特許公報を入手して、特許発明の内容を検討する。特許発明とは特許請求の範囲に記載された発明のことで、この特許発明と開発予 定の製品とを比較する。その結果、当該製品が特許発明に抵触して、特許権侵害に該当する場合には、製品を設計変更し特許権を侵害しないものとする必要があ る。また、設計変更では特許権侵害を回避できない場合には新製品の開発を見直すことも検討するべきだ。 特許権侵害が明らかであっても、新製品の販売をどうしても行いたい場合には、特許無効審判の請求を検討するべきである。

(3)同業他社が所有している権利は製品に付された番号のものだけであるとは限らないので、他の特許権、実用新案権及び意匠権も調査した方がよい。