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5.特・実・意・商共通 アーカイブ

2011年12月06日

当社で新製品の開発を計画し、同業他社の同種の製品を調べたところ、他社製品に「特許876○○○○」という記載はあります。どうしたらよいでしょうか?

(1)製品に記載された番号から特許が本当に存在しているかを調べ、特許が存在している場合には、その特許の内容を調査する。 まずは特許庁のホームページから特許電子図書館にアクセスして、特許番号から年金(権利を維持するための特許印紙)の納付状況等をチェックして、その番号 の特許権が存続しているかどうかを調べる。特許権が存続していることを確認できたら、特許権者はだれか、存続期間は後何年残っているか等を調べる。 特許権が存在しているか否か、権利者がだれか等を確実に調査するためには、特許庁から特許原簿を取り寄せる必要がある。

(2) 特許公報を入手して、特許発明の内容を検討する。特許発明とは特許請求の範囲に記載された発明のことで、この特許発明と開発予 定の製品とを比較する。その結果、当該製品が特許発明に抵触して、特許権侵害に該当する場合には、製品を設計変更し特許権を侵害しないものとする必要があ る。また、設計変更では特許権侵害を回避できない場合には新製品の開発を見直すことも検討するべきだ。 特許権侵害が明らかであっても、新製品の販売をどうしても行いたい場合には、特許無効審判の請求を検討するべきである。

(3)同業他社が所有している権利は製品に付された番号のものだけであるとは限らないので、他の特許権、実用新案権及び意匠権も調査した方がよい。

新聞を読んでいたら高輝度青色LEDの基本特許が切れると新規参入が加速する旨の記事がありました。また、薬局で「特許が切れたジェネリック薬品にしますか。」と聞かれました。特許切れってどのようなことをいうのでしょうか?

(1)「特許切れ」とは、特許権の存続期間が満了することをいう。特許権の存続期間は原則として出願日から20年である。つまり特許権は出願日から 20年経つと消滅し、消滅した特許の内容はだれでも自由に実施することができるようになる。なお、医薬品の臨床実験等、特許製品販売までに一定の期間を要 する場合などは、出願日から25年を上限として存続期間の延長が認められる場合がある。
特許権に存続期間を設けているのは、発明の保護と利用の調和を図るためである。特許権は新規な発明を公開した代償として与えられる独占排他権であり、特 許権存続中においては特許権者以外の者の特許発明の実施が制限され、これにより発明の保護が図られる。一方、陳腐化した技術に特許権を付与したままにし て、いつまでも特許発明の実施を制限したのでは発明の利用を図ることができない。そこで、発明の保護と利用の調和を図る上で適当な特許権の存続期間として 上記20年が定められている。
特許権は存続期間が満了する前でも消滅することがある。
例えば、特許権を維持するためには毎年、特許料(以下、年金という。)を特許庁に払い続ける必要があるが、この年金は特許権者の意思で支払いを停止することができる。従って、年金の支払いを止めれば特許権の存続期間満了前でも特許権が消滅することになる。
また、特許無効審判が請求されて、審理の結果として全ての請求項を無効とする無効審決がでれば特許権が消滅することになる。
従って、存続期間満了前でも特許権が存在しているか否かは特許原簿を取り寄せて確認することが必要である。

(2)なお、特許権以外の産業財産権にも、それぞれ権利の存続期間が設けられている。
実用新案権の存続期間は出願日から10年である。ライフサイクルの短い考案を保護するという制度趣旨から特許権より存続期間を短いものとしている。
意匠権の存続期間は登録日から20年である。特許権と異なり、起算日が出願日ではなく登録日である。

商標権の存続期間は登録日から10年である。ただし、商標権は運転免許のように更新が認められる。商標権の保護対象は発明のような技術ではなく商標(マーク)なので、広く開放して利用を図る必要はないからである。

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