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2011年11月22日

日本で特許出願をしたのですが、この出願と同じ内容のものを外国出願をするときに注意することはありますか?

日本の出願から1年以内に外国へ出願すべきである。この期間内であればパリ条約に規定された「優先権」を主張して外国へ出願することができる。

「優先権」とは、外国出願について日本出願の日に出願したものと同様の効果を与えるパリ条約上の特別の権利をいう。優先権は日本の出願 日から12ヶ月(意匠、商標は6ヶ月)以内に外国出願した場合に認められ、この優先権を認めてもらえる期間を優先期間という。優先期間を過ぎてしまうと優 先権を主張することができず、外国出願をした現実の出願日を基準に審査が行われることになる。従って、権利取得上、不利になるので、日本の出願から1年以 内に外国へ出願すべきである。

パリ条約は産業財産に関する国際条約で、約160の国が加盟している。このパリ条約には、「優先権」の他、「内国民待遇」、「特許独立の原則」が規定されている。

「内国民待遇」とは、内国民(その国の国民)と同盟国の国民(外国人)とを特許の取得等に関し同一に扱わなければならいことをいう。従って、外国人の出願にだけ厳しい基準で審査することは許されない。
「特許独立の原則」とは、同盟国の国民の特許出願、特許権は他の国における特許出願、特許権と独立しており、他の国の動向に左右されることなく国ごと独立 して成立、消滅することをいう。従って、日本で特許を取得できたからといって、アメリカで特許が取得できるとは限らないことになる。

2011年12月06日

日本で商標登録を受け、日本国内でのみ販売してきた商品を輸出しようと思います。日本で商標登録を受けていれば、その登録商標をそのまま輸出した国において使用しても大丈夫なのでしょうか?

日本の商標権の効力は日本国内にしか及ばないので、日本で商標登録を受けていても、外国で商標を付した商品を販売等すると、その外国で他人の商標権を侵害し てしまうおそれもある。従って、日本において商標登録されていても、その登録商標を外国でそのまま使用してもよいことにはならない。よって、輸出する国に おいて商標登録を受けることが望ましい。
更に、商標登録出願は原則として各国ごとに行われ、その審査の基準も各国ごとに異なる。国によっては日本語の商標を「文字」としてではなく「図形」のよう に扱われることもあり、現地の言葉に翻訳した商標を出願した方がよい場合がある。また出願の際に指定する商品の概念は国ごとに異なり、その商品の指定の仕 方も異なるので、実際に輸出する商品と権利を取得する商品とが異なってしまうことがないように注意が必要だ。
また、国によってはその国で商標を実際に使用していないと商標登録を認めない国があり、また一旦登録が認められても一定の期間内にその国おける登録商標の 使用を証明しないと商標登録が取り消されることもある。このように自国における商標の使用を強く求める考え方を使用主義といい、この使用主義をとる国とし てはアメリカ、カナダ等がある。
自国における使用を求めないで登録する考え方を登録主義という。ただし、各国の商標法は完全な使用主義または完全な登録主義を採用しているということはなく、使用主義と登録主義とをミックスしてバランスをとったかたちで構成されている。

自社製品を輸出することを計画しており、輸出国において特許等の産業財産権による保護が必要であると考えていますが、外国で産業財産権を取るための仕組みはどのようなものなのでしょうか?

外国で産業財産権を取得するためには、その外国へ出願を行う必要があり、取得した産業財産権の効力はその国だけに及ぶことになっている。従って、原則として産業財産権の取得を希望する国毎に出願を行う必要がある。
法制や言語の違いから外国で産業財産権を取得するのは自国よりも大きな負担がかかる。そこで、この負担を軽減するための国際条約が締結されている。
産業財産権に関する主な条約は次の通りである。

(1)パリ条約
パリ条約は1884年に発効され、現在約160ヶ国が加盟しており、日本は1899年(明治32年)以来加入している。
パリ条約は「優先権」、「内国民待遇」、「特許独立の原則」等について規定している。
「優先権」
自国の出願の日から所定期間内に外国へ出願をした場合に、その外国の出願を自国の出願日に提出したものとして取り扱うことを「優先権」と言う。
パリ条約で優先権を認めているのは、外国へ国内と同時に出願することは殆ど不可能であることから、出願人の時間的な負担を軽減して、外国で特許等を取りやすくするためである。
従って、外国出願をする場合は、自国の出願の日から優先期間内(特許出願日、実用新案登録出願日から12ヶ月以内、意匠登録出願日、商標登録出願日から6ヶ月以内)に出願することが重要である。
「内国民待遇」
産業財産権の保護に関して、パリ条約の同盟国において内国民(自国民)とパリ条約に加盟している国の外国人とを差別してはならず、平等に扱わなければならないことを「内国民待遇」という。
従って、出願された発明の審査において、外国人にだけ審査の基準を厳しくすることはパリ条約違反となり認められないことになる。
「特許独立の原則」
パリ条約の同盟国においては、各国の特許出願は独立して審査され、また特許の無効、消滅においても独立で、他の国において無効等にされたことを理由にして無効等にはならないことを「特許独立の原則」と言う。
1つの国で特許が無効にされたことを理由に他の国でも無効にするのは、特許の国際的保護に欠け、出願人(権利者)にとって酷だからだ。

外国フローチャート1

(2)特許協力条約(PCT)
PCTは1978年に発効され、現在約140ヶ国が加盟している。PCTは特許、実用新案についての条約であり、国際出願、国際予備審査等について規定している。
「国際出願」
PCTに従って行う出願を「国際出願」といい、この国際出願は日本の特許庁へ1つするだけで、PCT加盟国に日本出願と同時に出願したのと同じ効果を得る ことができる。
「国際調査」「国際予備審査」
この国際出願は権利取得を希望する国の審査を受ける前に、国際出願の内容と似た先行出願等があるかを調べる「国際調査」を受けることができる。また、国際 調査の結果を資料として特許を取得できそうかどうかの見解を示す「見解書」が作成される。この「見解書」に不満がある場合には、国際予備審査を請求して答 弁書や補正書を提出することにより反論することが可能である。そして、提出された答弁書や補正書の内容を踏まえて国際予備審査が行われ、その結果は「国際 予備審査報告」として通知される。
「国内段階への移行」
国際出願について権利取得を希望する国で審査を受けるためには、国際出願を国際段階から権利取得を希望する国へ移行させる手続が必要である。この権利取得 を希望する国へ移行させることを、「国内段階への移行」と言う。
国内段階への移行手続は、日本の出願日から原則として30ヶ月経過するまでに行えばよい。従って、出願人は国際調査、見解書、国際予備審査報告をもとに各 国で本格的な審査を受けるかどうか決めるための期間を得ることができる。
国内段階への移行は翻訳文の提出等が必要であることから大きな費用が発生する。
上記のようにPCTを利用することで国際調査等の資料をもとに、しかも時間的な余裕をもって国内段階へ移行する否かの判断ができるので、無駄な国内段階への移行を行わないことで経済的なメリットを得られることもある。

外国フローチャート2

参考文献:後藤晴男『パリ条約講話』(社団法人発明協会)
橋本良郎『特許協力条約逐条解説』(社団法人発明協会)

自社商品である酒の名称について日本においては商標権を取得し、日本国内で販売してきましたが、この商品を輸出することになりました。日本で商標権を取得していれば、その効力は輸出国においても及ぶのでしょうか?

商標権は原則として各国ごとに取得し、その効力も各国ごとに及ぶ。従って、日本で商標権を取得しても、その効力は外国には及ばない。輸出国において自社の商標(ブランド)を守りたいということであれば、その国において商標権を取得する必要がある。
外国で商標権を取得する場合、原則として各国(中国、アメリカ等)の特許庁が審査を行う。これらの特許庁における審査は各国ごとに定められた商標法に基づいて行われる。
商標登録出願を行う場合は、商標(マーク)と、この商標を使用する商品・役務を指定する必要がある。例えば、商標については日本語で表したものにするか、 その国の言語で表したものにするか等を検討する必要がある。日本語の文字で外国へ商標登録出願した場合、文字商標ではなく、図形商標として取り扱われてし まい、十分な法的保護を受けられないおそれもあるので、注意が必要だ。
また、商品・役務については多くの国で商品・役務をカテゴリーごとに分けた区分表を採用するが、この区分表は各国ごとに異なり、また出願対象にしようとする商品・役務がどの区分に属するかの判断基準も異なり、更に商品・役務の表現方法も異なるので注意が必要だ。
また、各国ごとに商標登録を認める条件が異なる。例えば、アメリカやカナダにおいては、原則としてその国において商標を実際に使用していることが登録の条件になる。
更に、商標権を継続して維持するためには、その国において登録商標を指定商品に使用していることの証明(使用証明)を特許庁に提出しなくてはならない国もある。例えば、アメリカ、フィリピンがこれに当たる。

当社は工作機械メーカーで、新製品の独自技術について日本国内で特許出願をしました。この新製品の工作機械を輸出することが決まり、輸出国を含めた複数の国に特許出願することを検討中です。外国出願するに当たり注意すべき点を教えてください。

外国特許出願を行う場合、大きく分けて2つのルートがある。パリ条約に基づく出願(以下、パリ出願という。)と特許協力条約に基づく出願(以下、PCT出願という。)だ。

(1)パリ出願

170以上の国や地域が加盟する産業財産権に関する国際条約で、加盟国の国民はパリ条約に基づく権利を主張して加盟国へ出願することができる。この場合、 特許出願の内容を権利取得を求める国の言語に翻訳して、その翻訳文で出願する必要がある。従って、アメリカと中国に出願する場合には、英語と中国語の翻訳 文を用意しなければならないことになり、出願当初に比較的大きな費用が発生することになる。
外国で特許権を取得するためには、外国の特許庁とのやり取りを行うことになるので、当該国の専門家を通して手続を行うことが必要である。

(2)PCT出願

PCT出願は出願当初には日本語で出願できる点がパリ出願との大きな違いだ。PCT出願は、PCTで規定された受理官庁としての日本特許庁へ出願を行う。PCT出願は、すべてのPCT加盟国について出願したものとみなされることになる。この外国出願したものとみなされた状 態となっているPCT出願について最終的に特許権を取得する国を絞り込む手続を国内移行という。この国内移行は翻訳文等の必要書類を提出し、所定の費用を 支払って、権利取得を希望する国に移行させる手続である。この国内移行は出願日(PCT出願のもとになった日本出願があれば日本の出願日)から30ヶ月以 内に行う必要がある。
PCT出願では上記の国内移行を行う前に国際予備審査報告を入手することができる。国際予備審査報告はPCTで規定された国際予備審査機関としての日本特 許庁が行うもので、特許性についての予備的な見解が記載されている。従って、出願人はこの国際予備審査報告の内容を勘案し、更に費用をかけて国内移行を行 うか否かを決めることができる。

パリ出願、PCT出願のいずれを選択すべきであるかは、ケースバイケースなので、外国出願に詳しい専門家と相談して決定すべきである。
また、パリ出願、PCT出願のいずれについても日本特許庁に対する日本特許出願から12ヶ月以内に行うべきである。「優先権」を主張することができるからだ。
「優先権」とは、日本特許出願の日から12ヶ月以内に外国出願した場合、その外国出願の審査を日本の出願日を基準に行ってくれる国際条約上の利益のことで ある。各国の言語や法制の違いから日本と同時に外国へ出願することは殆ど不可能であることから採用されたものだ。殆どの国で早く出願した者勝ち(先願主 義)を採用するため、「優先権」を主張することは出願人にとって極めて重要なものとなる。

中国の商標登録制度はどのようなものなのでしょうか。 自社製品である緑茶は日本国内で名の通ったもので、その名称を日本国内において商標登録をしていますが、この緑茶を中国へ輸出しようと考えています。中国においても商標登録した方がいいのでしょうか?

(1)最近、中国において日本の有名な商標や産地名などが商標登録されたという報道がなされている。確かに中国は国の規模が桁外れに大きく、商標登 録についても日本の感覚をそのまま持ち込むことはできない。商標登録出願の件数も中国では1年に100万件以上であり、世界一である。この出願件数は日本 の約10倍である。

(2)商標登録出願では中国商標局に出願書類を提出し、審査にパスしたものについて商標登録が認められる。この出願書類には出願人、商標、指定商品・役務 等を記載する必要がある。指定商品・役務は区分表に従って記載する。因みに「緑茶」は第30類「茶及び茶葉代用品」に含まれる。
また、先願主義を採用しており、先に出願されたものについて優先して登録される。

(3)審査手続は、「中国商標出願の経過」に示すように、出願→審査→公告→登録で手続が進行する。
公告後3ヶ月以内に異議申立を行うことができ、異議申立に対し出願人は答弁書を提出して反論することが可能である。そして、異議決定がされて商標登録または拒絶査定される。
商標登録された場合の存続期間は10年で、更新が可能である。また、拒絶査定に対しては審判を請求して争うことができる。

(4)中国商標法では日本の商標法で規定されているような「先使用権」は認められていない。「先使用権」とは使用した結果として需要者の間で広く知られた 場合、他人が商標権を取得しても、商標を継続して使用できるという権利のことである。いわば商標使用によって生じる既得権といえるものだ。中国では「先使 用権」が認められていないので、日本に比べて商標登録する必要性がより高いと言えそうである。

(5)中国に商品を輸出しようとする場合は、中国において商標登録をすべきである。これは国の内外を問わず自社ブランドを守ることはビジネスの基本であり、そのための手段が商標登録だからだ。

2012年03月19日

中国における特許出願の件数が日本を抜いて世界2位になったとの新聞記事を読みましたが、中国の特許出願等の件数はどのような状況なのでしょうか?

2010年の中国の特許出願は39万1千件で、前年より24.3%増加し、日本を抜いて世界2位になった。日本は前年より1.19%減って34万4千件で3位に後退した。1位はアメリカで前年より7.5%増えて49万件であった。
中国の特許出願が増加した背景には急速な経済発展、そして知的財産権に対する認識の高まりがあると思われる。中国というと海外製品の模倣という印象が強いが、自らの知的財産権を護るという意識を持つようになったのではないかと考える。
2005年の中国における特許出願は17万3千件で、ここ5年で約2.3倍の伸びとなっている。更に2005年の実用新案登録出願が13万9千件、意匠登録出願が16万3千件、商標登録出願が66万4千件、2010年の実用新案登録出願が41万件、意匠登録出願が42万1千件、商標登録出願が107万2千件であり、驚異的な伸びを示している。特に商標登録出願の件数は日本の出願件数の約10倍であり、世界でも桁違いの数となっている。
更に、特許出願等の急速な増加に伴い、侵害事件も増えているので、日本企業が中国に進出する場合、自社製品を模倣されることに関する対策だけでなく、自社製品が中国企業を含めた他社の特許権等を侵害しないように注意する必要がある。すなわち日本企業が中国に進出する場合は、中国における特許権等に関する調査、出願を検討することが必要だ。

2013年01月22日

ノーベル生理学・医学賞を授賞した京都大学の山中伸弥教授が発明したiPS細胞に関する技術について、京都大学は国内だけではなく外国にも多くの特許出願をしているとの報道がありましたが、外国出願はどのようにして行うものなのでしょうか?

山中伸弥教授のiPS関連の技術については京都大学が出願人となって特許出願を行っている。報道によれば約90件の特許出願を行っており、日本、ヨーロッパ、アメリカなど26カ国と一つの地域で特許が成立している。山中教授は特許を取る意義について、リーズナブルな金額で広く利用してもらいたいからだと仰っている。つまり、特許権を取得した企業があまり高額なロイヤリティ(実施料)を要求すると、特許発明が広く利用できなくなってしまうので、それを防止するために京都大学が特許取得に力を注いでいるということだ。

さて、外国出願は国際条約に従って行う必要がある。国際条約の主なものにはパリ条約と特許協力条約(PCT)がある。パリ条約に基づく出願は米国・中国等の各国特許庁に対し直接手続を行い、PCTに基づく出願はPCTで規定された受理官庁としての日本特許庁に手続を行うことができる。

(1) パリ条約
パリ条約は約130年前に締結されたもので、現在170ヶ国以上の国や地域が加盟しており、「優先権」、「内国民待遇」、「特許独立の原則」等について規定されている。
「優先権」
自国の特許出願の日から12ヶ月(意匠、商標は6ヶ月)以内に外国へ出願をした場合に、その外国の出願を自国の出願日に提出したものとして取り扱うことを「優先権」と言う。パリ条約で優先権を認めているのは、言語等が違う外国へ出願する出願人の負担を軽減して、外国で特許等を取りやすくするためである。従って、外国出願をする場合は、自国の出願の日から優先期間内(特許出願日、実用新案登録出願日から12ヶ月以内、意匠登録出願日、商標登録出願日から6ヶ月以内)に出願することが重要である。
「内国民待遇」
工業所有権(産業財産権)の保護に関して、パリ条約の同盟国において内国民(自国民)とパリ条約に加盟している国の外国人とを差別してはならず、平等に扱わなければならないことを「内国民待遇」という。
従って、出願された発明の審査において、外国人にだけ審査の基準を厳しくすることはパリ条約違反となり、認められないことになる。
「特許独立の原則」
パリ条約の同盟国においては、各国の特許出願は独立して審査され、また特許の無効、消滅においても独立で、他の国において無効等にされたことを理由にして無効等にはならないことを「特許独立の原則」と言う。審査の条件等は各国ごとに異なる。
特許独立の原則を定めているのは、例えば1つの国で特許が無効にされたことを理由に他の国でも無効にしてしまうのは、特許の国際的保護に欠け、出願人(権利者)にとって酷だからだ。


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(2) 特許協力条約(PCT)
「国際出願」
PCTに従って行う出願を「国際出願」といい、この国際出願では日本の特許庁へ出願書類を提出するだけで、権利取得を希望する多数の国に日本出願と同時に出願したのと同じ効果を得ることができる。言い換えれば国際出願は外国出願の束ということになる。なお、権利取得を希望する国のことを「指定国」と言う。
日本の特許庁へ国際出願する場合は日本語で行うことが可能であり、特許庁は国際的機関(受理官庁)として、国際出願を受理する。
「国際調査」「国際予備審査」
この国際出願は権利取得を希望する国の審査を受ける前に、簡単な事前調査である「国際調査」や、特許を取得できそうかどうかの予備的な見解を得るための「国際予備審査」を受けることができる。
「国内段階への移行」
国際出願について権利取得を希望する国で審査を受けるためには、国際出願を権利取得を希望する国へ移行させる手続が必要だ。この権利取得を希望する国へ移行させることを、「国内段階への移行」と言う。
国内段階への移行手続は、日本の出願日から原則として30ヶ月経過するまでに行えばよいので、出願人はこの間に各国で権利取得をするための審査を受けるかどうかの判断期間を得ることができる。


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(3)パリルートとPCTルート
パリルートを選択した場合は、特許出願の内容を、権利取得を求める国の言語に翻訳して、その翻訳文で出願する必要がある。従って、アメリカと中国へ出願する場合には英語と中国語の翻訳文を用意しなければならないことになり、出願当初に比較的大きな費用が発生することになる。
PCTルートを選択した場合は、国際予備審査報告等を入手した後に実際に権利取得をするために特許明細書の翻訳文を作成するかどうかを決めることができる。すなわち特許が取得できる可能性についての大よその見解とも言える国際予備審査報告等の内容を勘案し、更に費用をかけるどうかの判断を行うことができる点でメリットがある。
外国特許出願を行う場合パリ条約、PCTのどちらのルートを選択するかはケースバイケースであるが、出願する国が複数ある場合や出願する国を決めかねている場合はPCTルートを選ぶ方が都合のよい場合が多いと思われる。

今後海外へ進出する企業が益々増加することが予想されるが、進出した国において自社技術を護るためにはその国での特許出願が必要である。外国特許出願はパリルート、PCTルートの出願のいずれにおいても、日本特許出願の日から12ヶ月以内に出願しなければ「優先権」を主張できなくなる等の特有の注意点があるので専門家に相談する必要がある。

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