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特許無効審判とはどのような手続なのでしょうか?

(1)特許無効審判とは、特許に関して無効理由があることを示す証拠を特許庁に提出して、その特許を無効にすることを求める手続である。特許権侵害であるとし て警告を受けたり、侵害訴訟を起こされたりした場合の対抗策として特許無効審判を請求することが多い。 特許庁の審査にパスした権利を無効にするためには、相当な資料を収集する必要があり、国内外を問わず膨大な調査が必要となる。特許出願より前にその資料が 存在していたことを証明しなくてはならないので、第一に公開された日が明らかな特許庁発行の公報を対象に調査するが、それ以外の資料、例えば技術論文、書 籍、カタログ、業界紙等に調査範囲を広げることも少なくない。このように広く無効資料の調査を行っても、有効な資料を発見できないこともある。

(2) 特許を無効にすることができそうな資料を入手できたら、特許無効審判を特許庁に請求する。特許無効審判は請求人(特許無効審判 を請求した者)と被請求人(特許権者)とが対立する、当事者対立構造をとり3人または5人の審判官が合議体で判断する。審判の下級審である審査では審査官 が一人で審査するのに対し、一旦登録された特許を無効にする判断を行うため、合議体によってより慎重且つ厳正に審理が行われる。

(3) 特許無効審判は請求人が提出する審判請求書、被請求人が提出する答弁書等の書面によってやり取りを行う書面審理が採用されるこ ともあるが、審判の請求人、被請求人及び審判官が一同に会して話し合いをする口頭審理が開かれる場合もある。実際の口頭審理は審判の請求人、請求人の代理 人弁理士、被請求人、被請求人の代理人弁理士、審判官及び特許庁の書記官が出席して行われる。口頭審理は書面審理に比べて論点を迅速に整理できる等の利点 があるが、関係者が同時に特許庁へ集まらなくてはならない大変さもある。そこで、最近では審判官、書記官が地方都市に出張して口頭審理を行う巡回審判が行 われている。

(4) 特許無効審判において審理が尽くされると審決が出される。審決には特許を無効にする審決(認容審決)と特許を維持する審決(棄却審決)とがある。なお、請求項が複数(例えば合計3項)ある場合は、そのうちの一部(例えば請求項3)のみが無効になることもある。
審決に不服がある場合は、知的財産高等裁判所に訴えを起こして争うことができる。