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2.意匠 アーカイブ

2011年12月06日

他人の意匠(デザイン)でも別の製品(物品)についてであれば意匠登録できるのでしょうか?

製品(物品)が違っても意匠登録はできない。意匠登録の条件として創作性が要求される。すなわち従来のデザインから容易に創作できる程度のもの(創作性が低 いもの)は、意匠登録を受けることができない。例えば、「自動車」と「自動車の玩具」は、用途も機能も異なるため別々の物品である。意匠法では意匠と物品 とは一体のものであるという考え方をする。従って、デザインが同じでも物品が異なれば、意匠は別々のものとなり、その意匠は新しいということになる。しか し、新しい意匠でも創作性が低いものについては意匠登録は認められない。従って、「自動車」のデザインを「自動車の玩具」にデザイン上殆ど手を加えないで 転用した場合には、「自動車の玩具」について意匠登録を受けることができないと考えられる。

部分意匠という言葉を聞いたのですが、意匠が物品の一部分でも登録が認められるのでしょうか?

部分意匠は平成10年から採用されている制度で、物品の一部分について意匠登録を認めるというものだ。意匠登録出願は物品のデザインを保護するためのもの で、原則として物品全体の六面図(正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図)の提出が必要である。特許庁では提出された図面等をもとに過去に おいて同じようなデザインが公知になっていないか、先願で同じようなデザインのものがないか等を審査して意匠権を与えている。そして、登録意匠と同一また は類似する意匠を他人が実施した場合は意匠権の侵害となる。

ところが、登録意匠の一部分だけを模倣した(一部分だけが似た)物品を製造、販売した場合に意匠全体としては非類似になってしまうことがある。

これでは意匠権者を十分に保護できないことから、部分意匠登録制度が採用された。部分意匠の例としては、ダルマの置物で顔のデザインだけについて意匠登録されたもの、カメラの意匠で鏡筒やレンズのデザインだけについて意匠登録されたもの等がある。
部分意匠の出願をする場合には、部分意匠として登録を求める部分が分かるように、例えば登録を求める部分を実線で、他の部分を破線で表した図面の提出が必要である。

意匠法の改正もされたそうですが、その内容について教えてください。

意匠権の存続期間が設定登録の日から20年になった。諸外国の法制(欧州意匠法最長25年)に合わせた等の理由から改正されたものである。平成19年4月1日以降の出願が対象になる。なお、法改正前における存続期間は設定登録の日から15年である。

2017年04月20日

意匠登録制度とはどのようなものでしょうか。

意匠登録制度の概要は次の通りである。

 (保護対象)
 意匠すなわち、工業製品などのために創作された物品のデザインであり、物品を離れたデザインは保護対象でない。物品とは、流通性のある有体物たる動産である。従って、建築物、打ち上げられた花火は意匠法上の意匠ではなく、保護対象にはならない。物品の部分に係る意匠は部分意匠として保護対象になる。例えば、コーヒーカップの持ち手部分、自動車のフロントグリルは部分意匠として保護対象になり得る。

 (存続期間)
 登録日から20年である。特許権等は出願日を起算点としているが、意匠権の起算点は登録日である。

 (審査)
 特許制度のような出願審査請求制度はなく、原則として出願すべてが審査対象になり、新規性、創作容易性等の実体審査が行われる。創作容易性とは特許制度の進歩性に対応するもので、例えば、スカイツリーの置物は創作容易な意匠であるとして拒絶されると考えられる。

 (権利行使)
 権利を侵害する者に対して損害賠償請求権、差止請求権等の権利行使をすることができる。

 一つの製品であっても、ある部分の技術的アイデアは特許として保護を図ることを選択すべきであったり、他の部分の技術的アイデアは実用新案として保護を検討すべきであったりすることがある。更にデザインの側面から意匠として保護が可能であることも少なくない。従って、自社製品の十分な法的保護を図るためには、特許制度、実用新案登録制度及び意匠登録制度を複合的に利用することが必要である。

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