2005年05月19日
特許法改正について
1.改正の概要
平成17年4月1日より特許法、実用新案法等が改正になりましたが、特許法の改正は先頃青色LED訴訟等で話題になっている職務発明制度に関するものであり、実用新案法の改正は平成5年の無審査登録制採用以降、激減した実用新案登録出願の件数を増加させようとするものです。特に実用新案法の改正は実務上かなり重要です。そこで、実務上重要な点について詳細に説明します。
2.実用新案法の改正
【1】存続期間の延長
存続期間が出願日から10年になりました。従来の6年では短すぎるとの指摘があり、諸外国との均衡を考慮したものです。
【2】実用新案登録に基づく特許出願
実用新案の登録後においても、これに基づく特許出願が認められ、この特許出願は基礎となった実用新案登録出願の時にしたものとみなされます。実用新案登録に基づく特許出願が認められるための主な要件は次の通りです。
(1)特許出願の明細書等に記載した事項は実用新案登録の明細書等に記載した範囲内であること。従って、特許出願に新規事項を追加することができない。但し、特許出願の特許請求の範囲をどのように構成するかは自由であり、実用新案では保護対象外である「方法」について特許請求の範囲に記載することが可能である。
(2)実用新案登録出願から3年経過していないこと。
特許出願の審査請求期間の3年に対応したもので、当初より特許出願した場合、審査請求を行わないで出願日から3年経過すると当該特許出願が取り下げられたものとされることとの均衡を図ったものである。
(3)実用新案権者自らが、実用新案登録について実用新案技術評価請求1)を行っていないこと。
他人による実用新案技術評価請求の最初の通知から30日が経過していないこと。
(4)基礎となった実用新案権を放棄すること。放棄前の実用新案権は消滅しないが、実用新案技術 評価書が存在しないので、権利行使は不可能である。実用新案権放棄後、特許権の設定登録前の間は権利の空白期間が生じるので注意が必要である。

1)実用新案技術評価請求は特許庁に対して行い、これにより実用新案技術評価書が作成されます。実用新案権者は侵害者に対し実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ、損害賠償請求等を行うことはできません。
【3】訂正許容範囲の拡大
従来、実用新案登録後の明細書等の訂正は請求項の削除のみでした。しかし、先願主義の下では出願当初から完全な明細書等の作成は困難であり、また無審査主義を採用していることから補正も難しく、考案の適正な保護ができないおそれがありました。そこで、誤記の訂正や明瞭でない記載の釈明等を目的とするものに限り、且つ1回に限り訂正を認めることとしました。
【4】上記改正は平成17年4月1日以降に出願した実用新案登録についてのみ適用されます。
3.特許法の改正
【1】職務発明
従業者が為した発明は次のように分類されます。
職務発明規定は、上記表の職務発明についてのみ適用されます。
【2】職務発明規定の改正点
従業者が使用者(勤務する会社等)に職務発明を承継させた場合の対価は原則として使用者と従業者との自主的な取決めにより定められます。但し、この取決めがない場合や取決めが不合理なものである場合は、職務発明についての対価を法律の基準に従って決定することとしました。
【3】上記改正は平成17年4月1日以降に使用者に特許を受ける権利又は特許権を承継等させた場合の対価について適用されます。

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