2004年10月18日

台湾製液晶テレビを巡る特許紛争

 シャープが自社の特許権を侵害するものであるとして東京地裁に台湾製の液晶テレビの販売停止等を求めた仮処分を申請した。この台湾製液晶テレビは台湾の大手電機メーカー東元電機が製造するもので、大手スーパーマーケットのイオンは東元電機製の液晶テレビを輸入して国内で独占販売を行っていた。台湾製液晶テレビは国内メーカー品の半額近い価格で売られていた。

 イオンはシャープの仮処分申請に反発し、シャープとの取引停止に踏み切った。なおイオン単体と シャープとの取引額は年間70億円にも及ぶ。

 取引停止の発表以降、イオンには数百件もの取引停止に対する批判的な意見が寄せられ、イオンは東元電機製の液晶テレビの販売取り止め等を発表すると共に、シャープとの取引停止を1日で解除して取引を再開することにした。

 その後、イオンは自社の店舗だけで販売するデジタル家電について、発売前に特許権等の侵害がないか否かを調査することにした。この調査は外部の弁理士に依頼し侵害がないと判断されたものだけ販売する。また、販売中のデジタルカメラ等についても侵害がないか否かの調査を改めて実施する。


(解説)
 シャープにとってイオンは大口取引先で言わばお客様であり、このイオンが販売する台湾製液晶テレビに対し販売停止を求めたわけですから、イオンの取引停止は一見不思議ではありません。しかし本件は純粋な権利(特許権)侵害の問題であって、取引関係とは切り離して考えるべきものです。台湾製液晶テレビがシャープの特許権を侵害するものであれば、その販売は排除されるべきです。

 もし、取引関係の圧力によって特許権が骨抜きにされることになれば、莫大な開発費用をかけた特許取得品について不正な模倣が許容され、メーカーの正当な利益が得られないことになるからです。
 正当な利益が得られるからこそメーカーは新製品の開発に勤しむわけで、正当な利益が得られない社会となれば製品の模倣競争を招くことになります。
 
 こうなれば国そのものが諸外国との開発競争に敗北することになり、国が貧しくなり、物が売れなくなって小売業も衰退することになります。他人の知的財産権を尊重することは、引いては自分の利益を守ることになります

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